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ノーティドッグが生み出した革新のサバイバルホラーゲーム The Last of Us(ザ・ラスト・オブ・アス)のシナリオに迫る パート1編

さて、今日はノーティドッグが生み出した希代のサバイバルホラーゲーム The Last of Us(ザ・ラスト・オブ・アス)のシナリオに迫る パート1編という話題です。

まず、僕は昔から特にサバイバルホラーと呼ばれるジャンルのゲームが好きで、あの限られた空間や物資のなかで、自分ができることを探り、少しずつ世界を開拓しながら進めていく感覚が自分の性分に合っているようで、様々な種類のホラーゲームを楽しんだものです。

そんななかで、ソニー傘下のノーティドッグという会社が生み出したThe Last of Us(ザ・ラスト・オブ・アス)というホラーゲームは、僕のなかではほかのホラーゲームとは一味も二味も違う、革新性を持ったゲームとして記憶に残っています。

たぶんこのゲームは、2010年に放送が開始されたアメリカの人気テレビドラマ、「ウォーキング・デッド」というポスト・アポカリプスのゾンビによる世界の終末という世界観の影響を強く受けたゲームだと思うんですが、実際にこのゲームをプレイしてみると、「ウォーキング・デッド」のドラマと同じように、人間対ゾンビという図式だけではなく、崩壊した世界のなかでの、人間対人間という生々しい争いも含まれていて、バイオハザードとかのホラーゲームとは一線を画す内容となっています。

詳しくゲームの内容を説明すると、突然謎のパンデミックにより、ゾンビのように感染者が人々を襲うようになった世界で、主人公ジョエルは大災害のなかで最愛の娘を失ってしまい、その失意のまま20年という月日が経過し、世界はほぼ崩壊した状態となっており、ジョエルもまた運び屋を生業としながらなんとか生き延びていた。

そんななか、ひとりの少女をある場所まで運んでほしいという仕事の依頼が舞い込み、ジョエルはそれを渋々承諾するのだが、その少女こそ、実は世界を感染者から唯一救い出せる可能性を持つ免疫を有している存在、エリーであった。

しかし、道中を様々なアクシデントや困難を乗り越えていくなかで、二人の関係は次第に親子のような固い絆を結ぶようになっていき、やがてジョエルはエリーの免疫を取り出すためには、彼女の命を犠牲にしなければいけないという現実に直面する。

そして、ジョエルが下した決断は、世界を救う為に彼女の命を犠牲にするというものではなく、自分の最愛の娘のような存在、エリーを本当の娘を失った時のように二度と再び失わないというものであった。

この決断の内容はとても重たく、また非常に視野の狭い利己的なものなんですが、ここまでゲームをプレイすると、ジョエルの心情も痛いほどよくわかる内容になっていて、世界のことなんてどうでも良い、また同じように自分の愛する娘のような存在、エリーを絶対に失わないという決断をしたジョエルという男を、責める気になれなくなってしまうような秀逸なシナリオとなっていて、この辺りのストーリーテリングの絶妙さがこのゲーム最大のポイントになっていると思います。

また、ジョエルという男の人間性も、常にひたむきに一生懸命に生きているのに、いつもどこかに綻びが生じていて、グレーゾーンがにじみ出ているような悲哀のあるキャラクターになっているのですが、僕はこの男に自分の父親をすごく投影してしまい、とても生々しいリアルさを感じてしまいました。

そんなジョエルと、純朴なエリーとの関係性は、どこか不器用で、でも確かに心と心がちゃんとお互いを向き合っていて、僕も息子と娘を持つ父親として、すごく身につまされる思いでしたね。

また、このシナリオにはまだ続編があり、それはまた次回、パート2編で語っていこうと思います。

以上、ノーティドッグが生み出した革新のサバイバルホラーゲーム The Last of Us(ザ・ラスト・オブ・アス)のシナリオに迫る パート1編という話題でした。